鎌研ぎ、稲刈り、はざ掛け≪ふるさと鴨川通信No.146≫

    9月に入って暑さもだいぶやわらぎ、空も高く、青くなってきて、時折見える巻雲に秋の到来を感じます。

     

    今年度の帰農者セミナーも後半戦突入。第11回目のセミナーを開催しました。

    この日は鴨川地区の合同祭礼で、山車3台・屋台4台・神輿7基のほか、市指定無形民俗文化財の担ぎ屋台が市街地を賑やかに練り歩きます。

    また、天津小湊地区の安房東中学校や帰農者セミナーの会場近くの長狭学園でも運動会が開催され、子供たちの元気な声が響き渡り、鴨川市内はとても賑やかな雰囲気です。

     

    里山は 稲刈り シーズンも終盤。

    前回のセミナーは羽釜で新米を炊き美味しくいただきましたが、今回は、 稲刈り (手刈り)して、天日干しのためのはざ掛けをする実習をしました。

    今回の初参加者は3名、お子さんたちも含め総勢33名のご参加をいただきました!

    まずは日程説明。

    9:30~   開講並びに日程の説明 
    9:45~   座学:本日の実習について         
    10:30~  実習:ふれあい農園にて
     「播種」 ロマネスコ(ペーパーポット)チコリ(直播) 
     「定植」 キャベツ ・ 白菜
     「植付」 ジャガイモ(でじま)
     「収穫」 タカノツメほか夏野菜全般    
    12:00~  昼食 (各自)
    13:00~  実習: 農具の手入れ 鎌研ぎ、稲刈り、はざがけ  

    15:40~  質疑応答・アンケート記入・次回案内・解散

     

    の予定でしたが、この日は朝方、結構な降雨があり、圃場が濡れてしまっていたため、急遽午前と午後の予定を入れ替え、午前中に 鎌研ぎ、稲刈り、はざ掛け を行うことに。

     

    そして今日の作業の講義から開始。

    ジャガイモの植付では、春に植えるときとの違いや品種の話、植えるときの種芋の向きなど大事な注意点などの解説がありました。ロマネスコは播種時期が本来は7月下旬くらいで、今から播いても収穫は出来るが、遅い分、花蕾が小さくなってしまうことなどのお話がありました。

     

    鎌研ぎ、稲刈り、はざがけ

    講義が終わり、続いては鎌研ぎ講習。

    圃場で3グループに分かれて実習開始。最初は先生のお手本。

     

    実際に参加者も研いでみます。

    研ぎ方のコツや研ぎ具合の確認方法、研いだ後の処理など学びました。

     

    そして、研いだ鎌を持って、近くの田んぼへ移動。

    こちらも最初は先生が稲の持ち方や鎌の引き方、刈った稲のまとめ方など、見本を見せてから、参加者皆さんで実践。

     

     

    稲刈り用の鎌ではないので、うまく刈れず苦戦している方もいましたが、同じ鎌で先生がやるとサクサク刈っていきます。さすが先生。

    棚田のオーナー制度に参加している方は、先週も稲刈りだったそうで、やはり経験している分、作業が速かったです。

    棚田のオーナー制度って何?という方はこちらを。⇒棚田オーナー制度

     

    初対面でも、いつの間にか声を掛け合って協力して作業。参加者みなさんが作り出す、この速攻で馴染んでしまう雰囲気は本当にいつもすごいなぁと思います。ありがとうございます。

     

    刈り終わった部分から、はざかけ用の足を設置していきます。ここでも先生が「技」を魅せ、稲わらだけを使って見事に竹を縛って組んでいきます。藁のつなぎ方、縛り方、参加者も驚きの技でした。

     

     

    落ちている稲穂もちゃんと拾います。

     

    はざかけ完成!で記念撮影。曇り空が残念。

     

     

    そんな感じで稲刈り&はざかけは想定より早く終わり、先生が郷の香(ゆで落花生)がもう収穫できるよと教えてくれたので、お昼までの残りの時間で一部収穫。おおまさりは次回収穫予定です。

     

    お土産にするほど量がなかったので、茹でて作業後のおやつにすることにしました。

     

    実をもじった落花生の枝は、サトイモの草マルチに。無駄にしません。

    ついでにサトイモの葉についたヨトウムシを除去。農薬を使わない殺虫方法「メデミテテデトール」を実践。

     

    続いては、先生手作りの竹を使った昔の脱穀機を紹介。

    竹を二つに割って、すき間を作り、そこに稲穂をはさんで引くと、プチプチと気持ち良い感触と共に籾が外れていきます。

    その感触にハマってしまった参加者も(笑)

    脱穀機の作り方も教えてくれました。先生が竹をきれいに割っていく技に見ていた参加者は感動。竹も完全にまっすぐではないので、どの向きに鉈を入れたらいいかなどワンポイントアドバイスも。

    完成した古式脱穀機は子供たちが取り合いになるほど大人気でした。

     

    午前中の最後は、カボチャの蔓の誘引です。竹を割りばしほどの太さに割って、蔓を抑える道具を作ります。

    伸ばしたい方向に蔓を誘導し、風に吹かれて折れたり傷ついたりしないようにします。蔓を優しく伸ばしたい方向に動かし、葉や蔓を傷めないよう竹で止めていきます。

    これで午前中の作業は終了。今回は各自で昼食です。

     

     

    お昼ごはんをしっかり食べて午後の部スタート。

    まずは収穫から。

    ピーマン、ナス、オクラ、空心菜。

     

     

    続いて、ジャガイモの植付。

    溝を掘って、講義で習ったことを思い出しながら等間隔に種芋を置いていきます。

    クワの使い方も定植があると毎回教えてくれます。

     

    2週間ずらして播種した四季どりキャベツの苗を定植。

    底水をたっぷりと。植える深さも注意して。

     

    ハクサイは生育期間の違う3種類を定植。60日、75日、85日です。

     

    手の空いた人は、セロリの芽かき。

     

    こちらはチコリを播種。体内のデトックスにおすすめの食材だそうです。

     

    南の空に黒っぽい雲が見え、この後一雨来そうだったので、ロマネスコをペーパーポットに播種して、本日の作業を終了。

     

    作業を終え、セミナー室に戻ったら、一気に大雨が降り出し、ギリギリセーフ。

    そしておやつタイム。

    今日のおやつは急遽収穫した落花生の郷の香を塩ゆでしたものと、スタッフからの差し入れ「皮を剥いて凍らせた完熟無花果」と「とってもおいしいぶどう」です。無花果はスタッフの家の庭で採れたもので、ぶどうはご近所から食べきれないほどいただいたということで持ってきてくれました。

     

    (写真撮り忘れました。。。すいません)

     

    落花生は3パターンを用意。普通に塩ゆでしたものと、セミナー室の隣の開発工房で試験的にスチームコンベクションで調理したものを塩ありと塩なしでいただきました。普通に塩ゆでは安定のうまさ。スチームコンベクションで調理したものは、落花生そのものの味がとてもはっきり感じられ、両方ともそれぞれのおいしさがありました。

    シャーベット無花果、絶品でした!シャキふわっとした絶妙な凍り具合の食感と口の中に広がる自然な甘さ。もう一工夫したら商品化できそうと思うほど美味しかったです。

    ぶどうもジューシーで上品な甘味で大好評。あっという間に無くなりました。

    そんなこんなで毎回何かしら美味しいものを食べている帰農者セミナー。

    楽しいですよ。

     

    この日は、セミナーのアドバイザーが自分の田んぼで脱穀作業をしていて、見学したい方はどうぞと言ってくれていたので、セミナー終了後、この日はスピンオフ企画として、脱穀作業の見学・体験も行いました。

    作業後は、先輩移住者宅訪問も兼ねて、ご自宅にお邪魔させていただき、農的生活のお話など聞かせてくれました。スダチのお土産とあま~いスイカを用意してくださり、おいしくいただきました。ありがとうございます!

     

    最後に参加者のご感想。

     

    Q1.本日のセミナーでスキルアップになったと感じた内容を教えてください。

    ・鎌のさび取り。鎌砥ぎ。 

    ・稲のかり方、はざがけなど。

    ・クワの使い方、空心菜の収穫、ヨトウムシ退治、稲刈りと鎌の使い方、ジャガイモの植付、イモのでき方、桑の研ぎ方。

    ・全部。

    ・鎌砥ぎのスキルはほとんどメンテナンスを行っていないので参考になった。

    ・セロリのわきめ取りと水やりについて実習で教えていただいたのでとてもわかりやすかった。カマの砥ぎ方はとても参考になりました。

    ・鎌の砥ぎ方は実際に見て先生の話を聞いて勉強になりました。稲刈りもよい体験になりました。

    ・これからじゃがいもを植えるので鍬の使い方、畝の作り方を参考にして作業したいと思います。

    ・くわの使い方や良いくわの説明が良かった。ちゃんと使えるように練習したいと思います。

    ・稲刈りはしたことがあったのですが、はざ掛けは初めてだったので勉強になりました。

     

    Q2.セミナーで得たスキルを実際に試してみたエピソードを教えてください。(または試そうと思っていることでも・・・)

    ・伝統野菜、くだものにチャレンジしたい。

    ・ジャガイモを植えてみたい。

    ・サビ落としに木工用ボンドを添付する。すぐに実施します。

    ・明日、早速脱穀機を使ってみたいと思います。

    ・秋植えのじゃがいもを習ったとおりに植えてみたいです。定植のときに水をたっぷりあげることを実践します。

    ・ブロッコリーを育てる。

    ・農具の手入れにチャレンジしたい。

    ・ベランダでバジルを育てていますが、陽当たりが悪いからなのか大きくなっていません。。。

    ・ジャガイモ栽培、水田耕作全般

     

    Q3.安全で有意義なセミナー運営にむけてご意見等お聞かせください。

    ・開発工房クッキングコーナーの機器の性能見学会はどうですか?

    ・草刈機の手入れの仕方も入れて欲しい。

    ・今日が2回目でしたが、先生もスタッフも参加者のみなさんも親切で助かります。今後ともよろしくお願いします。

    ・みその仕込みとかをやってみたい。

     

    Q4.その他、感想など・・・ 

    ・ワラだけではざがけ用の竹を組み立てていたのには驚きました。

    ・かまのとぎかたはおもったよりかんたんかな。くわのつかいかたはいがいとむずかしい(アメリカにはないもので・・・)ので やさいづくりとべつで れんしゅうができればいいとおもいます。また ひものむすびかた。

    ・稲刈りは人生初体験です。カマを研いだり、ありがとうございました。

    ・初めての稲刈り、昔の米農家の苦労が少しわかりました。おやつタイムのゆで落花生、最高においしかったです。

    ・はじめてのことが多く盛りだくさんで楽しかった。

    ・ぶどうが非常においしい。

    ・いちじく、ぶどう、ありがとうございました!!たくさんいただいちゃいました。

    ・いちじくシャーベットとぶどう、最高においしかったです!ありがとうございました。落花生の3種類の食べ方もご用意いただきありがとうございました。おいしかったです。

    ・いつも美味しい食べ物をいただけて嬉しいです。

    ・先生のスキルは本当に勉強になります。また、役に立つアイテムを紹介していただきありがとうございました。

    ・ゆでた落花生がおいしかったです。いちじくもぶどうも最高です。

    ・何を聞いても何でも教えてくれるので助かります。聞きたいことをまとめておいて今後もお聞きしたいと思いますのでよろしくお願いします。

    ・回数を重ねるごとに、みなさんと声を交わすことが増えて子供も楽しく遊んだり、有意義な時間でした。またよろしくお願いします。

    ・大変楽しく参加させていただきました。ありがとうございました。

    ・久しぶりの参加で土をいじる、さわるとリフレッシュ(心が)します。

    ・暑かったが体を動かせて楽しかった。

    ・田んぼのオーナー制度に参加してみたいと思いました。

    ・コンパニオンプランツが興味深かった。

     

     

    さて、次回は9月21日(金)です。

    予定している作業は、ダイコン・野沢菜の播種、落花生の収穫などです。

    作業前にはもちろん解説講座もやります。「おおまさり」の収穫楽しみです!

     

     毎回参加受付していますので、年度途中からでも参加OK!参加初回は無料で体験できます!

    お申込み、お問い合わせは鴨川市ふるさと回帰支援センター事務局(04-7094-4600 又は info@furusato-kamogawa.net)まで!

    日程や詳細はこちらをご覧ください!⇒パンフレット

    2018年09月12日

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