10月に入って、台風も過ぎ、真夏日、夏日となる日が多かったのですが、中旬になって、やっと気温も落ち着いてきて、本格的に秋へと移っていく気配が感じられるようになりました。
天気予報は更新のたびに変わり、サイトによって違う予報だったり、天候が読めない日が続いておりますが、刻々と変わる天気予報(笑)を気にしつつ、今年度13回目の帰農者セミナー開始です。
ちなみに、今年の帰農者セミナーの圃場は、台風による塩害は昨年よりも軽く、ジャガイモもサトイモも何とか葉が枯れずに済みました。セミナーで習った、雨の少ない台風の後(塩害)の対応を実践したのが良かったのかもしれません。
今回は初参加の方が1名来てくれました。
9月のふるさと回帰フェアで鴨川ブースにお立ち寄りいただいた方で、二地域居住を検討中とのことで、さっそく鴨川へ来てくれました。ご参加ありがとうございます!
そして、地域おこし協力隊2名のゲストを加え、総勢32名で今回も賑やかに実施できました!
この日の予定はこちら
9:30~ 開講並びに日程の説明
9:45~ 座学:本日の実習について
10:30~ 実習:ふれあい農園にて
「播種」ソラマメ レタス ミズナ ダイコン 野沢菜
「定植」ロマネスコ
「管理」セロリ他
「収穫」サツマイモ(半量)トウガラシ
※途中、昼食(各自)休憩
15:00~ 座学:有機栽培講座その9「病害虫防除」~自然農薬について~
15:30~ 質疑応答・アンケート記入・次回案内・解散
途中、天候によっては急遽変更したり、ということもあります。
さっそく、今日の作業について先生から説明。
ソラマメ
については、種のどの部分から芽や根が出てくるか、播種するときの向きや深さ、乾燥防止対策、水に浸してから播種はダメといったポイントをはじめ、鳥害対策やマメ科やナス科の連作障害などを詳しく解説。鹿児島産との収穫時期や価格の違いといったお話までしてくれました。
参加者からは、土壌消毒しても連作障害は防げないのかなど質問も出て、いろいろな知識を得ることが出来ました。ちなみに土壌消毒しても連作障害の対策にはならないそうです。
その他の作業についてはざっと説明し、詳しくは圃場で作業しながら説明ということでこの日は早めに実習に移りました。
サツマイモの品種ごとの性質や食べ方などについては収穫した後に試食しながら、ということでした。
天気は何とか曇りをキープ。
動いていないとちょっと寒く感じるような気温でしたが、まずはウォーミングアップがてら、草取りから始めます。
夏が過ぎても、雑草の生長は止まりません。みんなで手分けして談笑しながら作業。参加者同士、気軽にお話しできる時間ですが、口も手も両方動かしましょう(笑)。
そして収穫と片付け。
ナス、ピーマンなど夏野菜ももう終わりなので、収穫して片づけまで。トマトの雨よけも片付けます。
まだまだ元気な空心菜を収穫、トウガラシは実が赤く色づいたので全部収穫しました。
続いてジャガイモと長ネギ、そしてキャベツと芽キャベツに土寄せ。皆さんだいぶ鍬の扱いに慣れてきました。実際やってみると意外に難しいクワのさばき方も教えてもらえます。草取り、畝づくり、土寄せと色々な使い方があります。
さぁ播種に移ろうというときに、雨がポツリ、ポツリと少し来たので、播種、定植、サツマイモの収穫の準備をそれぞれ手分けして行います。
畝づくり、ポットとトロ箱に土入れ、サツマイモの蔓切とマルチ剥がしなど、先生やアドバイザーが分かれて、やり方を説明しながら作業を進めます。
畝づくり
サツマイモ蔓切
ロマネスコ定植
ソラマメはポット播種。レタス、ミズナはトロ箱に播種。
そしてサツマイモの収穫。
みなさん笑顔で作業。大きいイモが掘り上げられると、周りから「すごーーい!でかーい!」と歓声。やはり収穫作業は楽しいですね。
こちらはパープルスイート
今年も6品種栽培し、後程、蒸かして食べ比べの予定です。
都市農村交流の化学反応
午前中はここまで。いったん解散し、昼食は各自でとります。
さぁお昼ご飯と思いきや、ふと圃場の方を見ると、サツマイモの収穫前に片付けた「蔓」を拾い上げている参加者の方がいました。
何に使うんですかと尋ねたところ、蔓を乾燥させてリースやお正月の飾りを作るんですとのこと。リースは都内で買うと2~3,000円くらいするそうです。
夕方、作ったリースの実物を見せてもらいました!
「ちゃちゃっと作ったものなので」と言ってましたが、とっても素敵な仕上がりで、あとはビニール袋でラッピングするだけで商品になりそう!と思ってしまいました(笑)
クオリティはもっと上げられるとのことでしたので、これは面白いかも。
イモの蔓をごみとして捨ててしまうか、資源として活用して宝にするか。もっといえばサイドビジネスにもなる可能性。まさに、外からの視点で田舎の埋もれている資源を活用する事例だと強く感じました。
都市農村交流の化学反応 が楽しみです。
ということでこの参加者のご夫婦にはセミナーの中でリースづくりのワークショップをやってもらおうと思ってます。次回、残りのサツマイモをすべて収穫予定ですが、蔓切のときになるべく長めに切って資源として活用したいと思います。
参加者皆さんの持つスキルにより、また一つ、帰農者セミナーのコンテンツが増えそうです。
参加者みなさんで作りあげていく帰農者セミナー。どんどん楽しくなっていきますね~!
午後も圃場で実習再開。
少し雨がパラパラとしてきましたが、作業には問題ないくらいだったので、二手に分かれて作業。
一つのグループはナスやピーマンを片付けたところを、次の作付けのため、管理機で耕うん。管理機の使い方、足の運び方、旋回時や法面での注意点など参加者が実際操作して覚えます。
鍬を使って耕すより、はるかに楽ですが、下地が固いと結構疲れます。昔の人は鍬で耕していたと思うと、疲れたとか言えませんが。
もう一つのグループはセロリの脇芽や下葉かきをします。講義で習ったとおり、根元を残すと意味がないので、きれいに取り除き、本来の株の生長を促進させます。
取った葉は、もったいないのでおいしくいただきます。
芽かきが終わったらゴーヤの支柱&ネットを片付け。
ここで、すっかり忘れていた野沢菜の播種を思い出し(笑)、畝間、株間を先生に確認して、もう一つ畝をつくり、播種。参加者の鍬さばきも回数を重ねた人ほどスムーズになっていきます。
雨もパラパラとした程度で、すぐに止んでくれたので、無事予定の作業を実施することが出来ました。
本日の収穫物!
あとサツマイモ6種類です。
そしてセミナー室に戻り、少し休憩した後は、今年度最後の有機栽培講座。
テーマは「病害虫防除」~自然農薬について~。
ヨモギ、ニンニク、ドクダミなど身の回りにある殺虫、殺菌成分を含む植物を利用した病害虫防除のお話です。成分の抽出方法の種類や作り方、使い方など、実際にアドバイザーが作ってカメムシ対策に使ってみたときの結果なども併せてお話してくれました。
さらに、病害虫だけでなく適量の使用で生育にも効果がある木酢液についても紹介。期待される7つの効果や購入時の選び方、農薬取締法上の制約、使用濃度に関する注意点などを説明。そこから展開してGAP(農業生産工程管理)の話も。農林水産省のHPでオンライン研修もできることなど紹介されました。
アンケートにも「植物エキスを試してみたい」「使い方が分からなかったが、講座で知ることができて大変参考になった」と多くの参加者が自分で試してみたいと感じたようです。
ここで先生からもう一つ、化学農薬を使わない防除方法を紹介。対ナメクジ用ですが、飲み残しのビールをコップに溜めて2日くらい経ったものを圃場に置いておくと、そこにナメクジが自ら入っていくそうです。一晩で気持ち悪い(?)ほど入ってビールの中で溺死していくそうですので、ナメクジ被害に困っている方はぜひお試しを。
そして最後は、今日のおさらいとサツマイモのお話です。
今年はベニアズマ、総の秋(フサノアキ)、シルクスイート、アヤコマチ、パープルスイート、ベニハルカの6種類を栽培。品種ごとに、収穫してからどのくらいで食べごろになるか、性質や保存方法、どうやって食べたらおいしいかを解説。
一番食べたい!と思ったのは、ねっとり系のベニハルカの食べ方。一か月ほど保存して糖を上げてから焼き芋にし、それを冷凍して、アイススイーツとして食べると絶品とのこと。説明している先生もその味を思い出したのか、顔がほころび、よっぽどおいしいんだろうなということが伝わってきました。
参加者も「おいしそう~!、食べてみたい!」と興味津々。ベニハルカもお土産に入ってますので、保存に注意して、ぜひお試しを。
ちなみに今回は半分しか収穫していないので、次回は残りのサツマイモ(6種類)収穫をやる予定です。食べてみたい人はぜひご参加を。
そしてお待ちかねの試食タイム。この日はホクホク系のベニアズマ、総の秋とシルクスイートを蒸かしました。
蒸かしたイモを食べながらの雑談。イモの話、今日学んだことの話から、この前訪れた町の話、鴨川の話、田舎暮らし、移住の話へと展開するグループも。ゆる~い時間が流れます。田舎暮らしに関する情報収集は、みんながリラックスしているこの時間もお勧めです。
こうやって食べ比べてみると、食感や甘みなど品種によって違うことがすごくよく分かります。ただ、掘りたてなので、総の秋以外は、甘味が全然物足らない感じでした。
適度な期間貯蔵して、でんぷんが糖に変わってから食べる。野菜が寒さから身を守るための現象によるものとのことですが、とれたてが最高じゃない野菜もあると、とれたてのものを食べて知ることが出来ました。
もう一つご紹介。今回のスペシャルなお土産のご紹介。昨年の10月に開催したセミナーでは、スタッフ宅のお庭で柿狩りを行い大好評でしたが、(その回のレポート「気持ちがスッキリ!!≪ふるさと鴨川通信No.128≫ 」)今年は天候も心配だったので、事前にスタッフが収穫し、持ってきてくれました!
富有柿と次郎柿の2種類。真っ赤に熟した柿はほんとにおいしそう。事前の収穫時にちょっといただきましたが、めちゃめちゃ甘かったです。もちろん無農薬。今年も食べきれないほどたくさん実がついたそうで、参加者みなさんにおすそ分けしてくれました。ありがとうございます!
最後に参加者のご感想。
・サツマイモの処理。
・セロリの管理方法。
・食べ物についても、規格、基準が国内ではなく国際基準化されています。市場環境もオープンからクローズ市場になりました。今回のGAPも勉強する必要になってくると思います。
・セロリの管理として脇芽、傷んでいる葉落としは勉強になりました。
・サツマイモの切り方。トウガラシ、葉、取る。マメ科が連作してはいけないこと。耕運機。セロリ。
・連作関連。空豆の発芽ポイント。耕運機。
・木酢液の効能、効果、参考になった。サツマイモの種類と味の比較ができて良かった。
・連作NGの作物の再確認。サツマイモを貯蔵する際は両側を深めにカットする。
・サツマイモの種類と保存方法、とても勉強になりました。
・セロリの管理とサツマイモの種類、食べ方など勉強になりました。自然農薬。
・管理機の使い方を再確認できました。
・管理機の使い方を教えてもらったので自分のものが手に入った時に役に立ちそう。
・初めての参加で全てにおいてスキルアップになった。
・ソラマメの豆アブラムシ防除対策。11月、株元に殺虫剤撒き。黄色バケツに水張り。3月、成長点、切り落としなど。
・害虫をやっつける手段の中で山ビルに木酢液をかけると効くというお話にビックリ!!手軽に入手でき安心安全に利用することで作物が育つのはスゴイナ~と思いました。
・サツマイモの茎と根は大きめに切ることでいたみにくくなると知った。ソラマメの植え方(向き)に気を付ける。
・GAPのオンライン研修、やってみようと思いました。
・水はけの悪い畑の改良方法を先生に教わったので半年ぐらいかけるつもりで実施したいと思います。
・いろいろと他の植物エキスを利用してみたい。
・防除エキスを作って使用してみたい。
・植物エキスにチャレンジしてみたいです。
・病害虫は悩みの種だったので試してみたい(木酢液)早めにソラマメを播種したいと思います。サツマイモのつるを使ってリースをまた作りたいと思います。
・サツマイモの収穫時に端を切った方が良いと聞いたのでやってみます。ソラマメをまいてみたい。じゃがいもを植えましたが半分イノシシにやられてしまいました。
・現在、2地域居住生活、検討中。
・昨年のソラマメ栽培でアブラムシ被害経験したので今年のソラマメ栽培にアブラムシ対策をチャレンジしたいと思います。
・ソラマメを植えてみよう!
・プランターでソラマメを植えてみたいと思います。
・今回2回目ですが、新しいことを学べて良かったです。。
・柿、ありがとうございます。楽しみです。
・参加するたびに知識が増えるのが楽しいです。今後、土曜日だけでなく金曜日も参加したいと思います。11/2に鴨川市民になりますので今後もよろしくお願いします。
・涼しくなったので外での作業がとても楽になりました。白菜や大根などこれからの野菜の成長も楽しみです。サツマイモの種類によって食感の違いがあるのかわかりました。食べ比べは楽しいです。
・チャンスがあれば又、参加したいと思っております。
・参加大人数だと作業の進みが早いと感じました。
・子供のいもほり遠足では、つるをとっぱらった状態から始めるので前の状態から見られてよかったです。農家さんがほってとれる状態まですすめてくれてたんだなぁと。
・耕作機が使えてよかったです。農業機械をいじる機会がないので勉強になりました。
・本日、遅刻をしたので座学のみでしたが、先生のお話はいつも勉強になります。雑談もありとても楽しいです。
・さつまいもは紅あずまが美味しかったです。
お申込み、お問い合わせは鴨川市ふるさと回帰支援センター事務局(04-7094-4600 又は info@furusato-kamogawa.net)まで!
日程や詳細はこちらをご覧ください!⇒パンフレット
2018年10月19日