機械の便利さを実感… ≪ふるさと鴨川通信No.127≫

    9月22日。朝から気持ちのいい秋晴れ。
    帰農者セミナーの圃場がある吉尾地区では、翌日からの合同祭礼の準備に勤しむ地域の皆さんの姿が見られました。
    なかでも、千葉県無形文化財指定の神事「吉保八幡神社の流鏑馬(やぶさめ)」は、社伝では鎌倉時代から続けられているものだそうです。

    さて、今年度第11回目のセミナーは18名の参加で、初参加の方が1名でした。
    朝はとても良い天気でしたが、午後から多少雨が降るような予報でしたので、なるべく圃場での作業は午前中にということで進めました。

    今回も、最初は先生から今日行う作業を20分ほどで解説。やり方の説明や注意点だけでなく、なぜその作業が必要かというところまで学びます。そして知識の下地を入れてから圃場へ。
    まずは、全員で落花生の収穫。今日は「おおまさり」のみを収穫し、「千葉半立」は次回に回しました。

    昨年は実の入りもよく、とてもおいしい落花生が収穫できましたが、今年は夏場に雨が多かったりと天候不順で、昨年に比べ実の入りが少し良くありませんでした。
    収穫した落花生を水で洗い、上・中・下に選別作業。
    樽で洗うときは水を少なめ(実が底から3cmくらい浮く程度)にすると効率よく洗えます。と先生からワンポイントアドバイスも。

    次に、シカクマメ、空芯菜を収穫し、ナス、甘長トウガラシ、パプリカ、トマトは次の作物に備え、収穫しながら片付けました。
    そのほかセロリの芽かきや、前回植付したハクサイやキャベツ、カリフラワー、ワケギへの施肥など、より良い作物を作るためのワザを学びました。

    かわいらしい花をつけるシカクマメ

    甘長トウガラシ、ナスは片づけまで

    作物によって根の張り方や性質が違うので、それに合わせて施肥する場所や量、やり方を変えるなど、当たり前のようですが、先生曰く、本などを読んで「この作物だから、こうやる」と単純に覚えている人が多いが、作物の状況や症状に合わせて何でこの作業をやるかの意味を理解しながらやらないと収量や品質に大きな差が出てくるとのこと。

    そして、いよいよダイコンとナバナの播種です。ダイコンは有機圃場と普通の圃場で栽培します。収穫したら、たくあんづくりに挑戦予定です。
    セミナーでは、土をうなうところから参加者の皆さんに実際にやっていただいております。が、ここでトラブル発生。

     

    機械の便利さを実感…

     

    なかなか管理機のエンジンがかからない。
    プラグを拭いたり、いろいろと試したのですが、結局直らず・・・。
    ということで、昔に戻って、みんなで鍬とスコップで耕すことに。
    さらにダイコンを作る区画は、かなり深めに耕さなければなりません。

    みんなでいい汗流しました!

    みんなで交代しながら、何とか耕耘終了。
    そして畝をつくり、レーキをかけ、蒔き穴を作って、播種までの実習を完了。

    畝づくり

    蒔き穴をあけて播種

    機械のありがたみを実感する実習となりました。
    アンケートでは「機械の必要性を感じました」と率直なご意見や、管理機を直すのに機械の説明をしながらやっていたので「管理機の管理や原理がわかった」との前向きなご感想もいただきました。
    また、「鍬や農具の使い方の基本を学べた」など、農的生活に必要な基本スキルを勉強する機会ともなりました。
    他にも
    「セロリの芽かき作業を習ったので我が家でも行いたいです」
    「根の張り方の違いや、土寄せの要・不要が勉強になった」
    「大根の播種(耕し、畝づくり、レーキかけ、蒔き穴の作り方)が勉強になった」
    「苗から主に始めていたが、多くの野菜を種から始めるのが新しい」
    「種を植えるときの幅の取り方など、効率的なやり方が参考になりました」
    「シカクマメ、初めて見ました。花がとてもきれいで食べるのが楽しみです」
    「土づくりや土寄せ、施肥のこと、道具の使い方も教えていただいて勉強になりました」
    などのご感想をいただきました。

    午前中の作業を終え、昼食をとっていると、天気予報とは違い、突然、土砂降りの雨となりました。午前中に頑張って作業を終わらせておいて大正解でした。
    雨も少し弱まって、午後からは、育苗用の培土の種類や選び方などについて20分程の座学を行ったあと、吉尾公民館のピロティに移動し、ハーブ類の播種です。
    その前に、午前中に収穫した落花生の選別の仕方について、実物を見て触って講習。直売所に出すときの注意点から、茹で方などまで教わりました。
    選別の講義が終わり、落花生は調理室の鍋の中へ。40分ほど塩茹でして、おいしい茹で落花生の出来上がりです。

    塩分は海水くらい

    茹で上がりを待っている間、カモミール、ローズマリー、レモンバームの3種類をペーパーポットに播種しました。種が極小のものもあり、播くときには皆さん苦労していました。収穫したら、また好評のハーブティを作って、みんなで楽しもうと予定をしています。

    落花生も茹で上がり、和室に戻って、団らんしながら試食会。
    「落花生の塩ゆで・・・とても美味でした!」
    「茹でたての落花生は甘くてすごくおいしかったです」
    と皆さん手が止まらなくなっていました。
    おおまさり、本当においしいです!
    まだ次回の収穫分(おおまさりと千葉半立)も残してあるので、食べてみたい方はぜひセミナーにご参加を(笑)

    その後、質疑応答へと移行し、今日の作業のおさらいや、自分の畑での質問、堆肥を使った土づくり、化成肥料と有機肥料の違いなど、多岐にわたる質問が出ました。「皆さんの様々な質問事項が参考になる」とのご感想もいただき、経験者も初心者も他の人の意見や疑問を聞くことで、新たな気付きや発見があるようです。

    さて、次回のセミナーは10月7日(土)。集合場所は「吉尾公民館」です。
    予定している内容は
    ・ニンジン、落花生の収穫
    ・ソラマメの播種
    などです。
    その他、田舎暮らしの楽しみ方体験企画として竹細工作り体験や、ぼかし肥料づくりについて学びたいと思います。
    お申込み、お問い合わせは下記事務局まで!
    お電話でも、問い合わせフォームからでも、お気軽にどうぞ!

    2017年09月29日

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