新米、 採れたて野菜 の生活を早く始めたくなります!≪ふるさと鴨川通信No.145≫

    台風の連続発生、猛烈な暑さ、と気象の変化を著しく感じる今年の夏

    でしたが、8月ももう残り僅か。暑さのせいか、今年は夕暮れ時のヒグラシの声が少ないように感じます。

     

    そんな8月下旬は、鴨川では稲刈りシーズン真っただ中。

    市内のあちこちで稲刈りの様子が見られます。

    そんなシーズンなので、今回の帰農者セミナーでは、まさに採れたての「鴨川産の新米を味わう」企画を実施しました。

    ただ電子ジャーで炊いたのではおもしろくないので、薪割りして、かまどで火をおこし、羽釜で新米を炊きました。

    できあがりは後程。

     

    今回の参加者は15名。久々のご参加の方もいらっしゃいました。「来れるときだけ参加」も可能な帰農者セミナー。お気軽にどうぞ!

     

     

    まずは日程説明。

    9:30~   開講並びに日程の説明 
    9:45~   座学:本日の実習について         
    10:30~  実習:ふれあい農園にて             
    「播種」  白菜・コールラビ(ペーパーポット)ビーツ(直播)
    「定植」  抑制カボチャ・芽キャベツ・キャベツ・スティックブロッコリー 
    「管理」  雑草防除、片付けなど
    「収穫」  ゴーヤ・ナス・ピーマンなどの夏野菜    
    12:00~  昼食準備  “早場米の産地!鴨川産の新米を食す”
    15:10~  座学:有機栽培講座その7「堆肥、ぼかし肥の施用」
    15:40~  質疑応答・アンケート記入・次回案内・解散

    の予定です。

     

    早速、先生からこの日に行う作業のポイントを説明。

    定植の際の注意点。

    年間でいろいろな苗を定植していますが、おさらいも含めて、底水や植える深さなどポイントを押さえます。

    他にも、

    ・ハクサイの播く時期については、遅くなると葉が少なくなり結球しないこともあること

    ・トマトは一日の平均気温の積算温度が何百度になったら第一果房がつき、その後は何百度ごとについていく

    ・抑制カボチャは葉が何枚で実がつき、次は何枚でついていく

    ・秋ナスの採り方は枝のどこを切ったらよいか

    などなど理論と経験に基づく非常にためになるお話がこの日も満載でした。

     

     

    先生の講義も終わり、圃場へ移動。

    この日は台風20号の影響が心配されましたが、曇りで風が多少あった程度で、逆に作業するには良い条件となりました。暑いのは暑いですが。

    収穫からスタート。

    ナス、ピーマン、空心菜、バジル、ゴーヤ、オクラ、キュウリを収穫。

    オクラもまだまだいけます。

     

    ピーマンもおいしそうな実が付きました。

     

    スイカは最後の収穫となりました。

     

     

     

    きゅうりは花もつかなくなったため、片付け。

     

    次は、雑草を取り、石灰、堆肥を入れ、管理機でうなって播種・定植の準備をします。

     

     

     

     

     

    抑制カボチャ、芽キャベツ、キャベツ、スティックブロッコリーを定植。

    そして、栄養効果が非常に高く「奇跡の野菜」と呼ばれるビーツを播種。

    ビーツは血管を若返らせる効果があるそうです!

    しっかり管理して、たくさん収穫して、おいしくいただき、この冬は参加者みんなで若返りましょう(笑)

     

     

    最後にハクサイとコールラビをペーパーポットに播種。

    ハクサイは、60日、75日、85日型の3種類を播種。冬の鍋が今から楽しみです(笑)

     

     

    採れたて野菜 と新米で昼食会!

    作業が予定より若干押してしまいましたが、昼食の準備に移ります。

    穴を掘って、かまどを設置。

    研いだお米とお水を羽釜に入れセット。お米は採れたての新米でとても瑞々しいので、水に漬けておくことはしませんでした。

    参加者の方から女性でもできる薪割り機をお借りし、まずは薪割り。

    そしてかまどに火を入れます。

    ここでは、ボーイスカウト経験のあるスタッフが先生となり、火おこしから火加減の調整まで担当。

     

     

    こちらは待っている間に、藁で縄を作る講座。

     

     

    身近にあるもので道具を作ってしまう先人の知恵。毎回セミナーの所々に出てきますが、本当にすごいなと感心します。

     

     

    さて、吹きこぼれが始まったら、少し薪を抜いて火を落ち着かせます。

     

     田園風景の中、炊きあがりを待ちます。

     

     

    蒸気の吹き出し具合、においなどで判断し、最後におこげを作るための藁を投入!

    火力が瞬間的に増し、これで完成。

     

    おそるおそるふたを開けてみると、、、

     

    完っ璧な炊きあがり!

     

    桶に移してみると、おこげもいい感じ!

    しょうゆを垂らして味見したところ、もう「旨い!」としか表現できないほど旨い!

    その後も味見と称し、皆さんつまみ食い止まらず(笑)

     

     

    一方、おかず班は元コックの参加者と女性陣を中心に調理。

     

    そして料理の方は、畑で収穫した 採れたて野菜 を使ってゴーヤチャンプルー、ピリ辛野菜炒め、野菜スープ、ご飯の友にネバネバ刻みオクラ、そしてコックの腕が光る特大のふわっふわ野菜オムレツを作成。

    アドバイザーや先生が差し入れてくれた漬物やぶどうを添えて、豪華な昼食の完成です!

     

     

     

    遅めの昼食となってしまい申し訳ありませんでしたが、空腹は最高の調味料ということでご勘弁を(笑)

    食材も採れたて、炊き加減も調理もばっちり、胃袋の受け入れ態勢も万全の状態で、しかもみんなでワイワイ言いながら食べたので、極上のお昼ごはんとなりました!

     

    羽釜で炊いた新米は甘味も旨味も食感も最高でした。ぜひ皆さんもお試しを!

    気軽にできない人は当セミナーにご参加を(笑)

    秋は栗ご飯でもやろうかなんて話も出ております。

     

     

    お腹も満たされ、小休憩。

    ここで先生が一つ余興をご披露。といっても、

    実際に役立つ、やってみたくなる技です。

     

    それは「針金がよれよれになってしまった時にまっすぐに伸ばす技」で、大きめのペンチ2つで針金の両端をはさみ、両手を開くようにある程度勢いをつけて引っ張ります。2,3回やると、よれよれだった針金がピンとまっすぐに。

    参加者からは「おぉ~」と歓声。参加者もチャレンジし、女性でも簡単にできました。

     

    みんなで昼食の後片づけをしてから、午後の講座開始。

    今回は有機栽培講座の前に、有害鳥獣のお話。

    南房総に生息する有害鳥獣は、イノシシ、キョン、サル、シカ、ハクビシン、アライグマなど結構います。嶺岡山系、清澄山系など鴨川の地理を説明し、この地域はこの動物は出ない、ここでは最近出るようになった、この前はこんな被害を受けたというお話や、その対策方法について情報交換の時間となりました。

    移住して畑をやりたいと思っている方には、こういった情報を踏まえて土地選びをとのアドバイスもあり、農的生活の楽しいところばかりがクローズアップされがちですが、場所によってはこういうリスクもあるという、前回のマムシの話に続き、移住検討中の方には貴重で大切なお話でした。

     

    続いて、有機栽培講座「堆肥、ぼかし肥の施用」

    ということで、このセミナーでも何度か実習で作っている発酵堆肥やぼかし肥料の作り方、使い方について解説がありました。

    また、千葉県堆肥利用促進ネットワークの紹介など堆肥の入手方法や価格や品質についても。

    参加者からも、実際にどこでいくらくらいで購入したという話や使ってみてどうだったというような情報提供もあり、これから堆肥を使って畑をやりたいと思っている人にとっては、大変貴重な情報収集の時間となりました。

     

    そんなこんなでこの日のセミナーもすべて終了。

    最後にアンケートの感想をご紹介。

    Q1.本日のセミナーでスキルアップになったと感じた内容を教えてください。 

    ・白菜の蒔く時期(9/5くらいまで)遅くなると葉枚数少なく結球しないことがある。注意したいと思います。
    ・カボチャ定植に底水を入れる等、参考になりました。落花生の雑草防除は気を付けて行いたいと思いました。(ランナーがあると落花生まで抜いてしまう…) 
    ・抑制カボチャの実が、葉が15枚、次5枚...と実がつく点と、植えるのが1日遅れると実がなるのにプラスαの時間がかかること。
    ・縄のなえ方。
    ・抑制カボチャの植え方が参考になりました。
    ・底水。
    ・なわない。まきわり。新米のたきかた。
    ・鴨川市の地形によってサルのいる地域とか知れて良かったです。畑をやるには大変そうですね…。
    ・底水の話と水に殺虫剤を入れること。ナスの間引きの話。
    ・薪での羽釜で新米炊き!技(火加減)見事でした。除草剤の使い方も勉強になりました。
    ・積算温度について。トマトの第一果房は800℃。その後200℃毎に第2、第3…。
    ・講師のマジック(はりがね)、いつみぞをつくればいいかわかりました。
     
    Q2.セミナーで得たスキルを実際に試してみたエピソードを教えてください。(または試そうと思っていることでも・・・) 
    ・白菜育てようと思いますので、来週にはポット播種、育苗したいと思います。
    ・白菜の播種にチャレンジしたいと思います。
    ・白菜の早生などの種まきの時期が参考になった。畑の空き状況を見て種まきします。
    ・トマトは雨よけを作ったら身割れがなくなりました。
    ・播種用の土の作り方 肥料袋に畑の土を半分入れて密封して日に当て55℃以上にする。
    ・大豆のまき方を教わって実践しようとしたら自分の畑の土が固すぎてできませんでした…。
    ・ビーツが体に良さそうなので家でも育ててみようと思います!
    ・曲がった針金をまっすぐに直す。講師の技、試してみたいです。
    ・枝豆は30~40㎝で摘心。倒伏を避ける。
    ・タイマー式自動水蒔きシステム ----- 散水システムがビニールホース内に高温水で「も」が発生して詰まりました。黒色のホースを購入して再度試したいです。
    ・もぐらたいさくはたいへんそうですけどやってみたいかもしれません。やられたので…。
     
    Q3.安全で有意義なセミナー運営にむけてご意見等お聞かせください。 
    ・農薬はなるべく使いたくないので可能なら草の対応方法を色んな視点で知りたい。たとえば太陽熱処理的な手法を畑のウネでやってみるなど。その他、有害鳥獣の対策事例など共有したいです。
     
    Q4.その他、感想など・・・ 
    ・羽釜で炊いた新米は格別でした!ありがとうございました。
    ・昼食を作って食べるという企画が非常にいいと思います。
    ・白米のおこげが美味しかったです。お料理が沢山あり美味しかったです。
    ・お釜のご飯おいしかったです。ありがとうございました。
    ・昼食がおいしかった。
    ・新米のランチ良かったです。
    ・新米を釜でいただけて本当においしかったです。新鮮なお野菜で全ておいしく頂けました。
    ・軽~い気持ちで参加しましたが思ったより本格的でジャマになってしまったかも!みなさんよく知ってらしてすごいと思いました!
    ・新米、 採れたて野菜 の生活を早く始めたくなります!
    ・長狭米は美味かった~。ブドウも美味!
    ・種子袋に書かれている様々な情報について講師の先生に解説いただくのはどうでしょうか。例えば種苗会社の交配、育成の違いは?(タキイ交配、カネコ育成など)。 品種登録のPVPとは?トウモロコシやハクサイなどの品種あとの表示は?(たとえばゴールドラッシュ88の88とは?)(極・中)和早生、中生、(中)晩生の違いは?袋の中身が粒数でなく15mlなど容積で何粒になるか?等々。その日の作業で播く種子袋での説明でよいと思います。知らなくても種播いて芽出れば育てられますが知っていれば種買うときにも参考になるかと思います。
    ・マキで炊いたご飯とても美味しかったです。皆さんと一緒に食べるご飯は一番ですね!雑草取りは多人数で刈り取ると話しながら楽しくきれいになるが、1人では大変です!
     
     
    さて次回の帰農者セミナーは9月8日(土)です。
    予定している内容は
    ・キャベツの定植
    ・ジャガイモの植付
    ・夏野菜の収穫、管理、片付けなどです。
     
     
    そして、農的生活に必要な草刈り鎌の研ぎ方講座を予定。さらに、現在調整中ですが、実際に研いだ鎌で稲刈り、はざ掛け体験もできればと思っています。
    (昼食は各自でとっていただく予定です。)
     
     

    毎回参加受付していますので、年度途中からでも参加OK!参加初回は無料で体験できます!

    お申込み、お問い合わせは鴨川市ふるさと回帰支援センター事務局(04-7094-4600 又は info@furusato-kamogawa.net)まで!

    日程や詳細はこちらをご覧ください!⇒パンフレット

    2018年08月31日

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