千葉の鴨川には、幻と言われる極晩生の在来種枝豆があります。
香りが七里先にも広がると言われ、その芳醇な香りと深い甘味が特徴の「鴨川七里」。
枝豆というと、夏にビールと一緒に、というイメージがあると思いますが、この鴨川七里は10月下旬が収穫時期です。
この先祖から受け継がれてきた希少な種を守ろうと地元農家が協力して、「鴨川七里を育てる会」や「鴨川七里オーナー制委員会」などを立ち上げ、普及拡大しようといろいろな活動に取り組んでいます。
詳しくはこちらを⇒「オーナー制度でつなぐ、幻の枝豆「鴨川七里」≪ローカルニッポン≫」
今回の帰農者セミナーは、そんな地元農家さんが情熱をもって取り組んでいる活動に参加して、農家さんの想いやご苦労を伺い、 幻の枝豆 も手に入り、かつ、そこでも地域とのつながりがまた一つ増えたらいいなということで、鴨川七里オーナー制度に参加しました!
もちろん、とれたて茹でたてのマボロシの枝豆試食もする予定なので、これも楽しみです!
秋晴れの爽やかなお天気で、農作業にも快適な気候!
今回は16名の参加者と一緒に帰農者セミナー開催です。
まずは、セミナー室で、今日の日程説明から。
「播種」キヌサヤ・スナックエンドウ(ポット)
「収穫」サツマイモ エダマメ(鴨川七里)
※途中、昼食(各自)休憩
※エダマメの収穫はオーナー制圃場に移動。(2時頃開始予定)
前回トロ箱に播種したレタスの鉢上げもやりたかったのですが、苗の生育が足りず、次回に先送り。
この日の作業の説明では、スナックエンドウ、キヌサヤなどマメ科のお話を中心に、支柱で円柱状に囲う昔の方法やネットで平面状に伸ばしていく方法、収穫時期を考えてゴーヤと組み合わせて畑を効率的に使って栽培する方法、そしてマメ科に付き物の連作障害のお話をしてくれました。
また、先生が持ってきた赤タマネギについても解説。食べるには小さいものでも、植えておけば株も増えて春ごろに葉タマネギとして食べられるなど、無駄にしない活用方法を教えてくれました。で、先生に小タマネギいただいたので、この後、実際に圃場に植えます。
質疑応答では、今日の作業以外の話も。スイセンやヒガンバナでモグラ対策のお話やショウガの収穫時期について、果樹の消毒方法の話など多岐に亘りましたが、さすが先生、すべてお答えしてくれました。
蔓リース
前回のレポートでも紹介した、蔓を使ってリースづくりをする参加者が今回も参加してくれたので、サツマイモの収穫前の蔓切では、蔓をできるだけ長くなるよう切ってくださいと事務局からお願いして、さらに、その参加者の方にリースづくりのレクチャーもしていただきました。ありがとうございます!
ちなみにこの参加者のご夫婦は、棚田のオーナー制度に参加したことがきっかけで以前から二地域居住をしていて、ついにこの11月に鴨川へ完全移住!次回からは鴨川市民として参加です!
改めまして、ようこそ鴨川へ!
講義が終わった後は圃場へ移動。
まずは、ハクサイの管理方法。
フンの見分け方や駆除方法を実際の作物を見ながら説明。
ほぼ無農薬でやっているので、虫のサンプルには事欠きません(笑)
そしてサツマイモの蔓切と収穫。
リース用に長めに切って、葉と根っこを取り除きます。
でかイモ収穫。
サツマイモは採れたてだと糖が低いので、でんぷん質を糖に変えるためしばらく保存してからおいしくいただきます。次回セミナーは焼きイモ!?
イモの両端を切り落とすことで、保存しても腐りが入りにくくなります。切り口は一円玉サイズだそうです。
こちらは管理機の使い方講習。
こちらではジャック・オ・ランタンの制作中。元コックの参加者が、包丁ではなくカッターで作成!
いろんな国で料理人の腕をふるってきた方なので、「顔が怖くないとダメ」と本場仕込みのこだわり。
キヌサヤは直播き。
今回は円柱状に伸ばす昔ながらのやり方を採用。同じ歩幅で歩き、足で目印をつけ、その周りに播種しました。
スナックエンドウはポットに播種。1ポットに2粒と4粒播いたものの2種類作りました。
作り過ぎたので、自分で育苗してみたい参加者に分けて、万一、セミナーの育苗がうまくいかなかった場合に備え、保険をかけておきました(笑)
赤タマネギの植え付け。かなりくっつけて植えて大丈夫とのこと。プランターでもできるそうなので、畑のない方もぜひチャレンジを。
本には載ってないような方法も教えてくれます。
こちらは水をかけているのではなく、実は肥料を撒いています。
ジョウロを使って、葉にかかることなく株元に追肥できる楽な方法です。これも先生のアイディア。
ここで、市内で農家民泊を営む先輩移住者をご紹介。この方は、鴨川自然王国のスタッフでもあり、この帰農者セミナーにも以前参加されていました。12月に東京交通会館で「農的生活」をテーマとした移住セミナーを、自然王国さんとコラボで企画しており、今の帰農者セミナーがどんな感じになっているか実際に見たいということで、来てくれました。
移住セミナーの詳細は、決まり次第、ホームページ等でお知らせいたしますのでお楽しみに!
カボチャの生育状況を確認。前回授粉したところです。青いうちは絶対に触ってはいけません。
最後に空心菜を収穫して、午前中で本日の作業は終了。
午後は幻の枝豆「鴨川七里」の収穫です。
本日の収穫物!
サツマイモ6種類と空心菜、芽かきしたセロリ、サツマイモの蔓。
昼食後、セミナー室に集合し、少し雑談タイム。
そこから、鴨川七里のオーナー制度を行っている地区の一つ、下小原地区へ移動。
今年は台風の塩害で生育が良くなく、市内の各圃場でも収量がかなり落ちてしまったとのこと。中山間地域の下小原地区でもやはり塩害の影響はかなりあったそうです。
それでも、なんとか生育した区画を案内してくれて、早速収穫開始。
秋晴れの下、田園と山の稜線が織り成す日本の原風景の中、みんなで作業します。最初は「景色に癒される~」とか、「いいところだねぇ」と、みなさん感動していましたが、エダマメの莢外しが始まるとみんな夢中に↓(笑)
例年より少ないそうですが、 幻の枝豆 をゲット!もいでる時点で香りが漂ってきます。
(もちろんオーナー制度の利用料は払ってます。ちなみに1区画約15㎡で4,000円です。普通に買うよりは断然お得です。)
そして本日一番の!?お楽しみ、鴨川七里を試食!
今回も、開発工房のスチームコンベクションで蒸し上げました。
もともと鴨川七里が持つ芳醇な香りと深い甘味もありますが、熱湯で塩茹でするよりも、豆の味がガツンと来るというか、香りも旨味も濃い!という感じでした。
塩は後がけだったので、これで塩っ気が莢の中まで染みたらとんでもなく旨いだろうなと思い、来年は塩をかけてからスチコンで蒸し上げようと心に誓いました(笑)
落花生(おおまさり)の時も塩ゆでとスチコンで食べ比べをしました。塩ゆでのも文句なく旨いですが、やはり、豆自体の味が濃く、はっきりわかるのはスチコンの方でした。
美味しいものの食べ比べは楽しいですね。
そのまま雑談タイムに突入。
「来年はオーナーに申し込みたい」とお話している方、結構いらっしゃいました。
最後に参加者のご感想を紹介。
・除草剤としての石灰窒素の使用。
・つるの、はわせ方に色々あることを学びました。
・キヌサヤ、スナックエンドウの種まき。
・サツマイモの保存。
・キヌサヤ、ゴーヤ、キュウリなどの竹杭のうち方、とめ方。
・支柱の立て方。安全な除草剤は石灰チッソが良い。
・枝豆の身のはずし方。スナックエンドウを植える時の竹やネットの張り方。芽が出た玉ネギが葉玉ネギとして使えるという事です。
・玉ねぎを再び植えることによって二度美味しい事。白菜にとりつく虫退治。豆類の種まき方法について。
・葉についた虫はまめにとっておかないとダメですね。農薬も合わせて使う必要がありますね。
・青虫のフンの見分け方と駆除方法。
・播種のやり方。耕運機の動かし方。支柱のたて方。肥料のまき方。
・たまねぎのうえかたが どくとくかなとおもってたのが そうでもないとみて やってみようとおもいます。
・スナックエンドウのポット育苗。
・さつまいものつるでリース、無駄がないですね!やってみたいと思いました。
・ジョーロを使った肥料まきは勉強になりました。
・みかんの防虫。
・七里オーナー、来年やってみようかと。
・スナップエンドウをうえてみたい。
・木の消毒には石灰イオウ合剤が良いとの事で即時試してみます。
・山イモをセミナーで習った通りにやったが塩害で枯れてしまい残念でした。又チャレンジしたいです。
・クリスマスに向けてまたまたリースを作ってみようと思います。鴨川七里は育ててみたいと思いました。先生のこづかいセミナー、お待ちしております(笑)
・豆類のたねまきを早めにしたいと思います。小さな玉ねぎも畑に植えればまた収穫できると知り実践したいと思いました。
・肥料散布方法(ジョーロ使用)。
・かたい土だと耕運機の操作が難しそうなので練習したいと思いました。
・しちりのしゅうかくにも さんかできて いいですね。
・鴨川七里、おいしかったです。
・七里の枝豆、今晩ビールと共に楽しみます!
・サツマイモ掘りは相変わらず面白く、鴨川七里の収穫もワイワイガヤガヤ楽しかったです。
・みかんの防虫は困っていたので参考になりました。
・鴨川七里のオーナー制圃場がどんな所か興味があったので見れて良かった。
・次回より鴨川市民として参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
・鴨川七里の収穫が楽しかったです。気温も天気も農作業に最適でした。
・全て興味深い。七里の枝豆が大変おいしい。
・鴨川七里を収穫し食べられる体験ができたことは幸せでした。ありがとうございました。
焼き芋やります。
お申込み、お問い合わせは鴨川市ふるさと回帰支援センター事務局(04-7094-4600 又は info@furusato-kamogawa.net)まで!
日程や詳細はこちらをご覧ください!⇒パンフレット
2018年11月02日